岐阜県建築士会 まちづくり委員会

公益社団法人岐阜県建築士会 まちづくり委員会
岐阜県建築士会公式HPはこちら

岐阜県HM 2022年度

HOME岐阜県HM 2022年度

HM第13日目

テーマ:岐阜市長良真龍寺の耐震改修の事例について(講義・演習)

日時 :令和4年12月3日(土) 10:00~15:10

場所 :午前講義 ハートフルスクエアG 2階 中研修室

   :午後講義 真龍寺 岐阜市長良2509-1

参加者:31名

 

講師紹介の様子               講習の様子

fbebc4e543fcba69c3633c74b225cc9d476163d9.jpeg cb270621177d0a90409750395771016b38af2309.jpeg

 

真龍寺の耐震改修工事について(講義)

 岐阜高専 清水隆宏氏に真龍寺の調査概要について講習して頂きました。

 真龍寺概要 所在地 岐阜市長良2509-1

       構造  木造平屋建て(在来工法)

       配置  表門、本堂、鐘楼、庫裡

 

調査史料について

 「真龍寺本堂再建地絵図」「真龍寺境内配置図」「本堂見積並約定證券」と記された7枚の資料など。そして、それらの史料が二曲の屏風に貼り付けられて保存されており、紛失を防ぐため、あるいは飾りとして用いることを考えたのか定かではないが非常に興味深い。

 

研究方法について

 1.史料整理

 2.実測調査、現状把握、痕跡の記録

 3.史料分析、総合的に考察

 

遺構の分析について

 本堂が明治15年に上棟されたことを証明。敷居や虹梁を転用していた。

 貫が繋がっていなかったり、小屋組み材が細い材だったり、財政難がうかがえる。

 しかしながら、地元の大工集団の協力や、住民の支援が厚かったこともうかがわせる結果となった。

 

 起雲社寺建築設計 野村健太郎氏に真龍寺の耐震改修の概要について講習頂きました。

 

耐震改修工事に至るまでの流れ

 1.森林文化アカデミーと名古屋大学にて本堂の耐震調査が行われた。震度6弱にて倒壊の危

   険性があるが木材は健全であるため、耐震改修に耐えられる性能を有していると診断され

   る。

 2.耐震改修設計を起雲社寺建築設計に依頼し、震度6弱にて倒壊しない耐震設計とする

 3.耐震改修工事は競争見積の結果中村社寺にて請け負う。

 

耐震改修のポイント

 ●真龍寺の敷地は第一種地盤のため、地震に対して大変有利である。

 ●屋根荷重を軽くする。葺き土を撤去し、桟葺き瓦に葺き替える。

 ●基礎を新設

 ●耐力要素を増やす。数種類の耐震壁をバランスと納まりを考えて配置する。

 ●水平剛性を高める。

 ●腐朽部分を改善する。

現地の施工状況の写真を交えて、ご説明して頂きました。

 

耐震改修工事の結果

 ●耐震性能の変化を測定するため、常時微動測定を行う。

 ●耐震工事前の相関変形角は中地震で1/66、大地震で1/13であった。

 ●改修工事後の相関変形角は中地震で1/160、大地震で1/36という結果。

計算だけでなく、測定としても確認ができた。

耐震性能が向上したと判断した。

 

次回のガイダンス

 次回14日目の講座【1月21日:重要文化財の保存活用計画について】の説明がありました。

 詳細は別途メールにて連絡とのことでした。

 

真龍寺現場視察(実地研修)

 午後からは、現地の真龍寺にて耐震改修の実例を清水氏、野村氏、またご住職にも解説して頂きました。

 

現地視察風景                現地視察風景

430f19e6f240cf4ec6b4ad47ee74caa75430517f.jpeg 5373329b75aba51ccd7617e86f9b5fc2ef3d02a4.jpeg

 

現地視察の様子               現地視察の様子

d414bf6c62b9972c541e5ea57576d184b0b4cdeb.jpeg 43bea47bb87770acc9fc7fc0684b9957f925aa15.jpeg

 

各班個別ミーティング後、解散。

続きを読む

HM第12日目

テーマ:岐阜市上宮寺の耐震改修の事例について(講義・演習)

日時 :令和4年11月19日(土)10:00~15:00

場所 :午前講義   (一社)岐阜県勤労福祉センター ワークプラザ岐阜 4階402会議室

    午後実地研修 上宮寺 岐阜市大門町12

参加者:30名

 

石黒会長による挨拶の様子          講習の様子

a4c67937eb81b170bb81536963c9e0a956ca48ec.jpeg 090843a08d0d405088cfef7f19a4d0c3592a6a83.jpeg

 

上宮寺の耐震改修工事について(講義)

 岐阜県建築士会 加藤達夫氏に上宮寺耐震補強工事について講習して頂きました。

 

 上宮寺概要 所在地  岐阜市大門町12番地

       構造   木造2階建て(在来工法)

       床面積  1階  221.17㎡ 2階 72.18㎡

       延床面積    293.34㎡(80.9坪)

       築年期  江戸時代後期と言われている

       特徴   襖を取り払うと30帖の大広間になる

            庭に面して外縁が設けられている

            離れに風雅な茶室がある

 

与条件について

1.江戸時代築のこの建物は、庫裏の大広間を目的に建てられたため、耐力壁が全くない。

2.一般的な耐震指数を満足させるための試算は、予算を超過してしまう。

 

 以上の条件から、大地震が発生した際には大きな損壊は防ぎ小損壊にとどめ、中に居る人命は守る。

 その後修理をして建物の継続使用を目指す、という設計方針をたてられました。

 

構造補強について

1.内部の耐震補強壁として、真壁造り構造合板t12両面張のうえ、PBじゅらく仕上の耐震補強壁を内部に南北7ヶ所、東西7ヶ所設置。

2.外縁には木格子壁の構造補強壁を、南北に2ヶ所、東西3ヶ所設置。

 

費用削減のための工夫

1.書院座敷の天井・内法材の解体はしない。

2.耐震壁要の柱は外縁の天井を外して外側から取り付ける。

3.既存の建具を利用する。

4.柱と桁の接合仕口には大型L金物を使用する。

5.外縁の耐震壁は、願望及び採光を考慮して90ミリ角材の格子壁を使用。

6.床の間の書院窓廻りを構造合板で補強。床の間横の押入の襖の向きを替え、耐震壁を設置。

7.水平力を高めるため、床下・天井裏に火打ちアングルを設置。床下の束石及び、束木、根がらみの取り換え。

 

 現地の施工状況の写真を交えて、ご説明していただきました。

 

 午前講義の後半は、上宮寺の耐震工事も施工された宮大工の丹羽陽一氏に、伝統的な木造仕口の説明や、貴重な銘木・樹種について解説をしていただきました。

 

加藤達夫氏講習風景             丹羽陽一氏講習風景

a89bfcf290f20a11932e7f530696fcca3d30903b.jpeg 9979efb3e3e96aebfa377e493fe1bb9722884473.jpeg

 

講習の様子                 講習の様子

2428e40c67dfd53c8e78dd7a5a482699ac45bcce.jpeg 3225e0ebda13727b9d9dc0b5f0c0fea71198965e.jpeg

 

講習の様子                 講習の様子

76dacf9ad29f8fc7584f91daa9f87dc567246e90.jpeg 401d357ddc18f1c76117b02217365522d096687b.jpeg

 

講習の様子                 講習の様子

69095c04b28aed9d78437c33b29156613dc4af2b.jpeg 41998b0bd30f23a076f5431f3117fef1098afe25.jpeg

 

次回のガイダンス

 次回13日目の講座【12月3日:真龍寺の耐震改修事例について】の説明がありました。

 

上宮寺現場視察(実地研修)

 午後からは、現地の上宮寺にて耐震改修の実例を加藤氏、丹羽氏に解説していただきました。

 

現地視察風景                現地視察風景

a1124701fb9ed68442058fdd6bf3174224dbef24.jpeg a329581bba1ed267238b95c2f3d8e56356e545a6.jpeg

 

現地視察の様子               現地視察の様子

image13.jpeg image14.jpeg

 

現地視察の様子               現地視察の様子

image15.jpeg image16.jpeg

 

各班個別ミーティングの後、解散。

続きを読む

HM第11日目

テーマ:郡上市の伝建地区について(講義・実施研修)

日時 :令和4年11月5日(土)10:00~15:00

場所 :午前講義   郡上八幡まちまみ交流館 研修室

    午後実地研修 郡上八幡北町伝統的建築物保存地区(柳町~職人町~鍛冶屋町~大手町)

参加者:28名

 

次回のガイダンス

 11月19日(土)開催の岐阜市の説明を行ないました。

 

伝建修理・修景事業における設計監理業務について その1(講義)

 郡上八幡教育委員会社会教育課 文化係長 齊藤千恵子氏に講義して頂きました。

 郡上市の景観行政は、当初、都市計画担当部門が国土交通省のメニュー(補助制度等)を活用して整備を行ってきたが、文化庁のメニューの活用も図るため、伝建地区の指定を行うこととした。

 これにより、今までの「地域のまちなみ」から「国としての重要なまちなみ」へと位置付けられるとともに、補助事業における補助率のアップ等も図られた。保存地区内では令和4年5月に電線地中化が完了したところ。

 伝建地区内でのまちなみの保存の推進のためには、建築物の修理や修景の意匠設計や内訳書の作成など技術的分野において、特に建築士の力が求められている。

 旧八幡町の市街地は近世に城下町として発展し、川と山に囲まれた町である。敷地の間口は2間半から3間が多く、隣地と合筆する仕込み屋、敷地を分割する割屋が行われながら、まちなみが形成されてきた、明治になり武家地が公共施設に替わり、旧八幡町の中心地として栄えた。大正8年の北町大火で北町のほとんどを消失してしまったが、その復興として道路の拡幅、防火水槽の整備、住宅の建設、屋根の不燃化等が行われ、早期復興を果たし、北町には大正末期から昭和初期に建てられた町屋が多く残っている。

 平成24年12月に国から重要伝統的建造物保存地区として、城跡、旧武家地、旧商人地が選定された。選定に至るまでには、「水のまち郡上八幡」「町並み保存会」「景観」都市計画(中心部の都市計画道路の廃止、住居系の建蔽率の緩和)の見直しなど、様々なまちづくりを進めてきた。地区選定以後は、伝建地区だからということを地域、国県に対する説明根拠とし、地区の内外で補助対象、仕様等の明らかな差をつけているとのことでした。

 

齋藤千恵子氏講義風景

3a09682b1da3984f6bbf6fe55cd2992841b7372c.jpeg

 

 

伝建修理・修景事業における設計監理業務について その2(講義)

 引続き齋藤千恵子氏に抗議して頂きました。

 伝建地区の選定に合わせて、伝建かわら版というものを発行し、伝建地区内には全戸配布、地区外は希望者に配布している。各号の内容は次のとおり。

(1)かわら版第1号(選定前の町内会への説明会用資料)

 保存地区の範囲と特徴、伝統的建造物の種類と特徴、保存対象となる伝統的建造物と環境物件、伝建制度で行う町並み保存修理、修景基準・許可基準(案)、保存地区内の環境整備の方針、助成措置等の実施と検討、今後の選定までのスケジュール等選定案の内容が説明されている。

   かわら版第2号(説明会での質疑への回答)

 建築基準(修理基準、修景基準、許可基準)が適用される範囲、特定建造物の同意、伝建制度の補助、修理や修景の工事、防災対策・無電柱化・耐震補強などについて回答している。設計費、管理費は100%補助となること、耐震性の向上も検討すべきであるなど明記されている。補助事業であるため前年度の設計や工事費の見積などスケジュールに留意してほしいとのこと。

(2)かわら版第6号(選定後の補助制度の説明)

 補助金による修理・修景工事、補助金の申し込みと事業の流れ、現状変更申請書について説明している。改修であることから、現場の状況による変更が前提であり、そのたびに文化庁などへの相談が必要となる。

(3)かわら版第11号、第16号(補助事業実施物件の紹介)

 修理修景事業の内容を報告している。当初の物件は事業の立ち上がりということから、確実な案件でかつ緊急性の高いものを選んだとのこと。町外の所有者が多く、住民が少ない地区(鍛治屋町)が補助事業に対して積極的であり、それが他の地区へも波及していった。

 

 保存調査のバイブルとして図書の紹介があった。※「民家のみかた、調べ方」絶版

 現状がトタン張りの外壁を板張りに戻すつもりであったが、建設当初からトタン張りであったことが判明したためトタン張りとした事例など修理において、元の仕様に戻すことは良いが、変えることには抵抗があるとのことで、保存担当者の正直な気持ちが感じられた発言でした。

 

昼食のお弁当

dca2e93ac90534ec912d0eda5ddb7a1d3253a1d0.jpeg

 

郡上八幡伝統的建造物保存地区(現地視察)

下柳町の屋敷型伝統建築物

 旧武家地に立っている屋敷型の住宅、石積みの上に建てられ、道路側には板塀と門が設けられている。屋敷型で残存しているのは2件のみとのこと。今後の活用が望まれます。

中柳町の町屋

 特に町屋がれんぞく連続して残っている地区です。段差を利用してシタヤを持つ三階建てです。電線地中化の効果も高く、伝統的なまちなみが感じられました。

上柳町の集合住宅

 大火の後の復興事業として建てられた集合住宅(乙種)が残っています。

長敬寺の防火用水

 用水の水を引き込み防火用水として貯めている。現在もその機能を有しながら、立派な鯉が泳いでいます。

職人町の町屋

 旧町人地として、突き当りにある寺と町屋の袖壁が連なり、近世らしいまちなみが広がっています。

鍛治屋町の町屋

 大正末期からしょう昭和初期の建物が多く、様々な軒高の建物が混在する町並みとなっています。高いほうの軒が隣地にはみ出すことが暗黙の了解となっているが、最近は同意しない方もいるらしい。

大手町の町屋

 江戸時代には大手門があり城へ向かう中心の通りでした。国登録有形文化財の旧堀谷医院が建っています。

 伝建地区の範囲は、道路の反対側の敷地を含むように指定し、まちなみの連続性を考慮しています。

 

「下柳町の屋敷型伝統建築物」での説明    「中柳町の町屋」の現在の様子

1e77ff5b1f39372bfe5441b1816352f94f0e1d1d.jpeg 519b791bbd8311761c2d5fb583428b0aac91805c.jpeg

 

「集合住宅」での現地視察の様子       「長敬寺の防火用水」

b7475845eec1b13c7b6d5d0429711b3f419dc8ef.jpeg b8dcb6aff50e4939ebc47c7d3fb0557f21a769d4.jpeg

 

職人町                   鍛治屋町

2bdb83fd0c290a9c87c75e4510e770cb771090d4.jpeg 1e59248d5b9dc87bda0877242b1a0466011a646b.jpeg

 

大手町

1b1f82dcc460b567a40b4a2a748b84de7bc895a4.jpeg

 

南町

 伝建地区外であるが、旧斎藤家、旧役場等古いものをまちづくりに活用した事例の説明を受けた。

 

旧八幡町役場                説明の様子

b31dde4e88e9ba55de1f2c14cb928dad0535b576.jpeg 6bafe0ca25f07c0866e5471bb04908e2e1b4ff79.jpeg

 

 今回の講座で伝建地区の指定の考え方や経緯、さらには、現地にて改修した物件を前にした丁寧な説明により、大変勉強になりました。これからの保存改修計画に活かしていきたい。

 

続きを読む

HM第10日目

テーマ:世界遺産白川郷の運営及び保存修理・構造方法等それに伴う防災設備の考え方について

日時 :令和4年10月23日(日) 10:45~15:00

場所 :午前講義 「道の駅白川郷」総合文化交流施設 会議室

   :午後講義 世界遺産白川郷 荻町集落

参加者:25名

 

世界遺産白川郷の運営及び保存修理・構造方法等それに伴う防災設備の考え方について

 白川村教育委員会事務局 文化財係 課長補佐 松本継太氏に講義して頂きました。

 

松本継太氏講習風景

b42c7ee09de2a2c2f0b6d3daf493629ecf19583e.jpg 12b0bc27133631927145ef34146dd8e2fef185f8.jpg

 

1.白川村・荻町の紹介

 ・白川村は白山の麓に位置し、庄川沿いに形成された山岳村

 ・重伝地区の面積は約45.6haであり、世界遺産の中核をなしている

 ・荻町はかつての集落景観を残す貴重な合掌造り集落

 

2.合掌造りについて

 ・茅葺き屋根の民家は日本各地にあり多くは寄棟造りか入母屋造りであるのに対し、合掌造りは

  切妻造り

 ・合掌造りの構造は上部の合掌(小屋)部分と下部の軸組部分から成り、氷見能登や高山の大工

  による軸組の上に村人の手によって造られた合掌屋根が残る

 ・合掌造りの小屋裏はその構造的特徴(大きな無柱空間、切妻からの採光)と土地の制約(多雪地

  域、狭い耕作地)から養蚕の作業場として使われるようになった

 ・「結」は茅の葺き替えを行う制度で、対等な労働交換

 ・茅葺きは茅の葺き替え以外にも棟茅、差し茅をして手入れを行う

 

079b9499902b4537d4f14a8b02eea7607c198cdc.jpg

 

3.茅について

 ・茅葺きは農業の延長上にあり、茅場を維持し茅刈りを行うことで茅を確保してきた

 ・白川村で用いられる茅の種類はススキとカリヤスで、茅場は点在している

 ・茅の運搬は雪上を滑らせたり、「ムカデ」と呼ばれる方法で急斜面を滑らせたりして山から

  運び出していた(昭和40年代前半まで)

 ・白川村の茅刈りの期間は10月下旬~11月下旬の約1か月と短く、機械化が必須

 ・6haある茅場からは6,000束(=60束/日×10人×10日)収穫される

 ・年間に必要な茅は20,000束で、現在は不足分を御殿場から仕入れているが、自給率50%を目

  指して茅場の整備を進めている

 

4.合掌集落の近年の歴史

 ・1940年代に入って養蚕業の衰退と水力発電のためのダム開発により、移築・建て替え・トタ

  ン屋根への改修が行われ、合掌造りの減少が著しく進む

 ・養蚕の村から観光の村へ推進産業の舵をきる

 ・国鉄キャンペーンのディスカバージャパンが実施される

 ・1971年住民憲章制定

 ・1976年重伝地区選定

 ・1995年世界遺産登録

 ・2011年村営駐車場閉鎖 → 荻町公園整備

 

5.防災設備の整備

 ・放水銃は60mの高低差を利用した自然流加式

 ・各所に設置された放水銃は景観に配慮した格納庫に収容されている

 

6.保存会の活動と行政支援

 ・保存会の構成は7つの組の代表者、各種組合、青年会・女性会、地元議員からなる

  改修工事を行う際は、保存会と白川村教育委員会の審議を経て許可もしくは意見書が発行さ

  れる

 

7.急激な観光客の増加と交通問題の解消

 ・世界遺産登録により日帰りの観光客が増加、交通渋滞等の問題が顕著になる

 ・荻町交通対策委員会で荻町交通対策基本計画を策定

 ・世界遺産マスタープランに交通対策を位置付けて計画を進める

 ・村営荻町駐車場の閉鎖、通年交通制限の実施、保存地区外の駐車場整備により交通問題を解

  消

 

現地視察

世界遺産しら白川郷 荻町集落 説明見学(国重文和田家 含) 松本継太氏による解説

村営駐車場閉鎖→荻町公園整備        合掌造りの寺院「明善寺」

81ce180d39d38ee1b5bf63f059586fac4654b96e.jpg 00b029cc5cba2769fec08490fe971932bab93ea6.jpg

 

鐘楼も茅葺き                放水銃の説明

f3aaab49a6a95b0bbcbc12444b3ff6d0719e7dd0.jpg 192b9641bd18a496f2242eeadb56c1571450b75f.jpg

 

途中で合掌の屋根葺き替え中の現場を見ることができた

a4ec606e52700bdf07f707ad65d2b7db8a8c690c.jpg 6f796535f95c80a531cae999fe78cb19ace9b602.jpg

 

国重要文化財「和田家」

15c6b6e4f44a9859fb176937ca72761a1496265f.jpg 12e337559501873c0899f7828bfeb041bbf8a461.jpg

 

78be100fb2359d1343b54a48556131ec2d4f4436.jpg     7e0b47a81a2bcd69d5e482670e973f17b1af83f0.jpg

 

image15.jpg image14.jpg

 

image17.jpg image16.jpg

続きを読む

HM第9日目

テーマ:「高山市伝統構法木造建築物耐震化マニュアル」に即した限界耐力計算方法と耐震補強要素についての解説

日時 :令和4年10月2日(日)10:00~15:30

場所 :午前講義 飛騨高山まちの博物館

    午後講義 旧高山町役場~重伝建下二大新町一~村半~旧三輪家~日下部民藝館

参加者:33名+あいちHM協4名

 

「高山市伝統構法木造建築物耐震化マニュアル」に即した限界耐力計算方法と耐震補強要素についての解説

 建築士会飛騨支部飛騨支部/飛騨高山伝統構法木造建築物研究会会長/同条マニュアル作成検討委員 田村嘉伸氏に講習して頂きました。

 

田村嘉伸氏講義風景

ffbb9d9855c84088de639ab3bb16119e255d09bf.jpg d2d85bca229d045f69841ee89098b032019716dd.jpg

 

1.限界耐力計算の予備知識

 ・耐震性能評価と耐震補強設計について

 

2.復元力演習

 ・その他の壁要素 ・解析方法 ・復元力特性一覧表

 ・建築物の各方向、各階の復元力の求め方

 ・課題を解く ・小壁と束 ・具体例 ・板壁 ・ほぞ ・横架材

 

3.近似応答計算

 ・計算方法 ・解析方法 ・収斂計算 ・真の応答値の求め方 ・耐震診断時の計算シート

 ・補強後の計算シート ・吹抜のゾーニング ・各ステップでの固有値計算 

 ・構造高さの求め方 ・石場建、土台建 ・重量の求め方 ・計算手順 ・剛性の計算 

 ・補強前の計算シート ・補強方法

 

受講者全員とあいちHM協 集合写真

62ba42429c69b4ece5cff0fd444ac123ba7f30b8.jpg

 

現地視察

耐震補強工事 旧高山町役場「市政記念館」見学 田村嘉伸氏による解説

69cca10488afe795d340939a6bf2efbdedc8090f.jpg 894afdf5962a84fd922c72df9dffce61c6c63945.jpg

 

文化財の改修整備活用事例 旧村田家「村半」見学 市企画課専従職員による解説

381d6efd46c7da53c558804daf6b756c6bc4e3dc.jpg 10a5530aa3128390dc208d9350dd096fbc8b3c2f.jpg

 

重伝建「下二之町大新町一」界隈

d0e767c41c4e168ed433b778a1d79d5b6775e9bf.jpg

 

文化財の改修整備活用事例 旧三輪家「谷屋(一棟貸ゲストハウス)」見学

(公財)日下部民藝館理事長・日下部家当主日下部勝氏による解説

805170f58cc14b1436d96d38bae5fefad2bb6cfd.jpg c8c71bbe32c8a24031550a4d1124932bd0810323.jpg

2fddf1a7d5b73bfd5113cfdbf178b1ea927f13b0.jpg image11.jpg

 

国指定重文「日下部民藝館」見学

image13.jpg

続きを読む

HM第8日目

テーマ:高山市の文化財・町並み保存の方法と現状について

日時 :令和4年10月1日(土)10:15~16:00

場所 :午前講義 飛騨高山まちの博物館

   :午後講義 重伝建三町上町~州さき

参加者:32名+愛知HM協4名

 

石黒会長による第8日目開会挨拶

image1.jpg

 

高山市の文化財・町並み保存の方法と現状について(講義)

 高山市教育委員会文化財課 課長 牛丸岳彦氏に講習して頂きました。

1.高山の地理・歴史の紹介

 ・高山の地は古くから交通の要衝として発展

 ・「古い町並み」はおよそ400年前の金森長近による城下町形成を基としている

 ・江戸時代に入り幕府直轄地となり城が廃されて以降、商人の町として発展

 ・過去、多くの火災に見舞われ「古い町並み」区域の町家の多くも明治以降の建築

 ・高山の町はさんまちを中心にして周辺部に広がっていき、または街道沿いに伸びていった

 ・明治に入ってから造られた日下部民芸館・吉島家住宅の重要文化財指定は、「近代和風建築

  調査」のきっかけとなり、近代(明治)以降の重要な建物の発掘の発端となった

 

2.高山町家の特徴

 ・町のつくりは南北に主通りが走る梯子状(東西の通りは建物の側面をみせる横丁程度で碁盤

  の目といわれているのは間違い)

 ・主通りに面して敷地は東西に長く、町家の間取りは「主屋-通り土間・庭-土蔵」の順に配

  置、土蔵どうしで防火帯を形成(裏手の土蔵との間には排水路が通る)

 ・各町家の入口と通り土間は南側に配置

 ・もとの町割りは間口が3間程度の敷地割から、時代を追って集約化が進み大規模な敷地も出

  現するようになる

 ・軒先は宮川から引かれた用水の側溝に直接雨が落ちるように揃えられている

 ・江戸時代にも現代の建築確認申請のような役目を果たす建築行為の届け出制度(「願書留」)

  があり、不文律の了解事項も含めた慣習が建築活動を制御し現在の歴史的町並みで得られる

  統一感のベースになっている

 ・高山の町並みの色は明治以降の民家ではほとんど「弁慶塗り+油拭き仕上げ」となっていた

  と思われるため、徐々に黒くなってきた色合いを本来の赤みのある濃茶色に塗り直すことも

  試みられている

 ・高山の町家は元々商売を行うための家であったが、その仕様・構造は時代(技術の発展)と

  ともに変化してきた

 ・2階の利用が進むにつれ、正面の立ち(軒高)は明治以降、徐々に高くなる

 ・屋根は榑葺きからトタン葺きへ

 ・もともと天窓は無く、明治以降徐々に広まる

 ・庇は明治中頃までたて板葺き、明治後期以降に垂木形式が普及

 ・開口部は上げ蔀戸から出格子(+障子)に変化

 

牛丸岳彦氏講義風景             牛丸岳彦氏講義風景

790baecb17546c47c42b1bf3a956a96fb2b86835.jpg image2.jpg

 

3.町並み保存のとりくみ

 ・川をきれいにする運動・都市美化運動・メディアでの紹介などを通じて町並みを整備する機

  運が高まっていき、三町伝建地区選定につながっていった

 ・町並保存会は屋台組を活用し、それを単位として組織されている

 ・各町並保存会の取組みとしては、地域協定のような町並み保存のルール作りをして建築物・

  工作物・付帯設備の仕様などの他、商売のしかたなどのソフト面についても基準を設けている

 ・町並みを守るためには

  1)家族がいないとダメになる

  2)町並みに誇りを持つ

  3)沢山の共通の目的を持つ

  4)自分だけが突出しない

  5)最後は人である

 ・町並み保存は住民・旦那衆・行政・観光団体・同業組合・金融・不動産・設計士・大工等の

  連携が必要でそのネットワークづくりが不可欠

 ・高山市三町の「伝建地区」選定は全国で12番目(昭和54年)と制定から2年遅れたのは

  防火地域に関する現行法との折り合いをつけるのに時間を要したと聞いているが、防災対策

  をしっかり行うことでクリアした

 ・火災については屋根の不燃化、秋葉神社祭禮や夜回り、防災訓練、連動式の火災報知器・通報装置の設置等により対策がなされている

 ・「伝建地区」は都市計画の1つとして取込むことにより、効果的な町並み保存が出来るよう

  になっていった

 

4.修理と修景の実例紹介

 ・文化財の修理はどの時代の姿に戻すか(どこに価値づけを置くか)が鍵となる

 ・修景は周囲の町並みに対して違和感のない工夫をしている

 

現地視察

文化財の改修整備活用事例として「飛騨高山まちの博物館」見学 牛丸岳彦氏による解説

image4.jpg

 

重伝建「三町(上町)」古い町並み見学 牛丸岳彦氏による解説

image6.jpg 52e1e1731470bffae41c712c1e384a93f767ebcf.jpg

 

image8.jpg 87233d37fd833b59f3503e12b90c958d69ce6555.jpg

 

国指定重文(答申)「州さき」見学 牛丸岳彦氏による解説

image9.jpg 1d256e3f531cc2d56f10b0a5798fcf80e6346f72.jpg

続きを読む

HM 第7日目

テーマ:世界遺産、民族・無形文化財について(講義①)

    日本遺産、文化的景観、記念物(史跡・名勝・天然記念物・埋蔵文化財)について(講義②)

    文化財登録の実務について(講義③)

日時:令和4年9月17日 (土) 13:00~17:10

場所:(一社)岐阜県勤労福祉センターワークプラザ岐阜 3階 302会議室

参加者:29名

 

石黒会長による第7日目開会挨拶の様子     講習の様子

19866cfef35358887bfe0f1f097e6133d56cfcf1.jpeg b15cf06f9a169903313c281bebbc945327afa885.jpeg

 

世界遺産、民族・・無形文化財について(講義①)

 岐阜県文化伝承課 伝統文化係 主査 可児奈緒美氏 に講習して頂きました。

1.世界遺産について

 アスワンハイダム建設によるヌビア水没の危機が創設の契機となったこと、世界遺産には文化遺産・自然遺産・複合遺産の3種類があること、世界遺産の登録に至る流れを解説していただきました。

 日本には現在25件が登録されている。(法隆寺、姫路城、屋久島、白神山地等々。)

 岐阜県内にはまもなく登録30周年を迎える白川郷・五箇山の合掌造り集落がある。

 特徴として、住民憲章による制限・バッファゾーンによる景観保全・「結」と呼ばれる伝統的互助システムがあげられるが、維持するための課題(オーバーツーリズム・少子高齢化・防火対策)もある。

2.無形文化財について

 工芸技術・演劇、音楽などを、国指定・県指定の文化財として指定している。

 岐阜県内では、やはり陶芸などが多い印象。令和4年7月に地芝居振付が新たに指定された。令和3年、新たに登録制度が創設された。第1号として、書道と伝統的酒造が国登録された。県の登録はまだ無いそうです。

3.民俗文化財について

 地域に根差した風俗風習や民俗芸能などを、国指定・県指定の無形民俗文化財として指定している。

 有形民俗文化財は、無形民俗文化財に用いられる衣服や器具などを指定している。

 大切なのは価値が高いから重要ではなく、地域の特徴を表していることが、重要視されていること。

 また、ユネスコ無形文化遺産の活動が、世界遺産の約10年後から始まったが、日本は古くから無形文化遺産の保護活動をしており、世界の先駆けと言える。

 ただ今後の課題もあり、伝統技術の原材料や用具の確保が困難なことや、山・鉾・屋台等の収蔵庫のあり方は、防犯・防災・活用の面からも、重要視されています。

 令和3年から登録制度も始まり、岐阜県内では岐阜提灯の製作用具及び製品・美濃の陶磁器生産用具及び製品の2件が登録されている。

 

可児奈緒美氏講習風景            小野木学氏講習風景

a251f15c60e6e500bd731411d15d0256ae898eea.jpeg 66afaf542f53211a9ab3acd69ff0b098b1f860bd.jpeg 

 

日本文化遺産、文化的景観、記念物(史跡・名勝・天然記念物・埋蔵文化財)について(講義②)

 岐阜県文化伝承課 記念物保護係 課長補佐兼係長 小野木学氏 に講習して頂きました。

1.文化財の意義と保護

 文化財保護法は、文化財の保存活用を図ることにより、国民の文化的向上・世界文化の進歩に貢献することを目的としている。

 また、公共のために周到の注意をもって保存し公開する等、文化的活用に努めなければならない、としている。

2.記念物

 ・史跡:県内の代表例として、久々利銅鐸発掘の地(可児市)、昼塚大古墳(大垣市)、次郎兵衛

  塚古墳(可児市)、美濃国分寺跡(大垣市)、弥勒寺官衛遺跡群(関市)、黒野城跡(岐阜市)等の紹

  介。

 ・名勝:県内の代表例として、木曽川(各務原市・坂祝町・可児市・犬山市)等の紹介。

 ・天然記念物:県内の代表例として、白山神社のヒトツバタコ(土岐市)等の紹介。

3.重要文化的景観

 県内の代表例として、長良川中流域における岐阜の文化的景観(岐阜市)の紹介。

4.埋蔵文化財

 県内の代表例として、中切上野遺跡(高山市)の紹介。

5.日本遺産

 文化庁が認定する「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー」

 現在全国で104件が認定され、岐阜県内では以下の4件が認定されている。

 ・「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜(岐阜市)

 ・飛騨匠の技・こころ-木とともに、今に引き継ぐ1300年-(高山市)

 ・木曽路はすべて山の中 ~山を守り山に生きる~ (中津川市)

 ・1300年続く日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~(揖斐川町)

 文化庁が6年毎に認定の見直し作業をしている。今後は新規のものと入替えがあるかもしれない。

 

文化財登録の実務について(講義③)

 前半は、あいちへヘリテージ協議会 市川真奈美氏 に講習して頂きました。

 あいちヘリテージマネージャー養成講座の演習課題であった「私の見つけた文化財」から、実際に登録文化財に登録された実例をご紹介いただきました。

(「私の見つけた文化財」は、今回の育成講座のカリキュラムにも組み込まれている。)

 愛知県美浜町の野間郵便局旧局舎を題材として選定され、演習課題に取り組まれました。講座終了後、所有者の希望を受けて、実際の申請手続きを始められました。

 事前相談時に、県の担当、文化庁から指導された事項としては、所見の内容をもっと深めることや。写真位置図の作成、各書類上の不整合を無くすこと等の指導がありました。

 実際の登録申請の際にも、所見の内容にない写真は不要である事、写真は片付けた状態のものとする事、等々、再度の書類チェックを受け無事登録の運びとなりました。

 登録活動後も、会を作成して、保存活用のために様々はイベントにも共同参加をされています。(会を作成すると、助成金を受けやすいそうです。)

 そしてその後、新たな登録文化財の登録活動も続けられています。

 他、平成26年~令和4年まで、あいちヘリテージが携わった登録文化財をご紹介いただきました。

 

市川真奈美氏講習風景            山本栄一郎氏講習風景

896c14b05c70124e91c2a7831f42a062e86af36e.jpeg 17eba73643bf376af4800c6f18df6d3ee1779e9e.jpeg

 

 後半は、あいちヘリテージ協議会 山本栄一郎氏 に講習して頂きました。

 本講義の最終日の発表会について説明。

 1.日時:令和5年3月4日(土) 13時から15時まで

 2.場所:OKBふれあい会館

 3.方法:(1)受講生は別紙の班ごとに見つけた登録文化財の候補となる建造物の調査を行

        い、別途様式により整理して報告書にまとめる。その際、発表を前提にしてい

        るため、所有者の了解を得る事。

      (2)原則として居住地又は勤務地周辺を中心とする地域で、登録文化財の候補とな

        る建造物を見つけることとするが、その他の地域でも可とする。

      (3)各班は、報告書と発表会用の概要書(A4判8頁以内にまとめたもの)を、建築士会

        事務局にデジタルデータで提出する。

      (4)発表会は、プロジェクターを利用して行うものとする。

      (5)発表会における各班の持ち時間は20分とし、発表15分質疑応答5分とする。

      (6)発表終了後に講師等の講評をいただきます。

      (7)なお、この発表会は一般の方の聴講者の募集をして、公開で実施する予定です。

 

 登録文化財のメリットとして、地震等災害時の修理費用(復元費)が文化庁からある程度補填されることが見込まれる、商業施設では、商工会議所からの修理費用もいくらか受けられるようです。

 また、自然災害時の文化財の被害調査にヘリテージマネージャーの派遣も今後検討されているようです。

 あいちHM受講生の「私の見つけた文化財」実例を2つご紹介いただきました。

 ・大治町 明眼院 多宝塔 (建立年代不詳(室町時代頃?)、明治時代に修築されたが江戸時代の

  書物にも記されている建物。)

 ・碧南市 旧大浜警察署 (大正13年建設後、度々増築工事され、平成21年耐震補強・外観整備

  されている。)

 質疑応答を受け終了となりました。

 

講習の様子                 講習の様子

a79383d3fc9365593b6e8b28a835ee3976ad8ca5.jpeg dbadae2f3f9dc7149bf295abacd3e9a6e3893e1f.jpeg

 

次回のガイダンス

 飛騨支部幹事様より、8日目・9日目の高山市での講習・見学会について説明がありました。

 

 各班個別ミーティング後、解散。

続きを読む

HM 第6日目

テーマ:国重要文化財(建造物)及び国・県補助事業について(講義①)

    登録有形文化材(建造物)及び登録後の各種手続きについて(現状変更等)(講義②)

    建築基準法第3条の解説と該当建築物について (延期)

日時:令和4年8月20日(土)13:00~16:20

場所:(一社)岐阜勤労福祉センターワークプラザ岐阜 3階 302号室

参加者:30名

 

石黒会長により第6日目開会挨拶の様子

52c445dc571efb0877c705eb2e9ac27785258862.jpeg

 

国・県重要文化財(建造物)及び国・県補助事業について(講義①)

 岐阜県文化伝承課 主査 川瀬健秀氏に講義して頂きました。

 1.県内の国・県指定建造物について、2.有形文化財(建造物)の保護と活用について、3.建造物に関する補助事業について(国宝、国重要文化財、県重要文化財)について学びました。

 国の文化財保護の仕組みと取り組みの解説、また岐阜県の文化財保護の仕組みと取り組みの解説、県内の国・県指定の文化財の状況、件数の紹介。近年指定された建造物の歴史的価値、登録に至った経緯等の説明をして頂きました。

 有形文化財の保存と活用については、以前は保護だけでよかったが、近年は”文化財の活用”も考えなければならないとの事が印象的でした。

 また、文化財に関わる各種届出の説明、技術者の育成が今後必要となるとのことでした。

 文化財の防災では、日本の建築物は火災に弱いのでその対策方法、防災の面からの活用方法等の解説、補助事業については、国、県別の補助内容、金額等の説明をして頂けました。

 かならずぶつかる資金の問題。ヘリテージマネージャーとして積極的に取り組む必要を感じました。

 

川瀬健秀氏講習風景             講義の様子

ab9eab6420f4f46885f35400368bd0a87fa110e0.jpeg 7d7cc2ce24ec95b407b64a79a6036ba9c1dec736.jpeg

 

登録有形文化財(建造物)及び登録後の各種手続きについて(現状変更等)(講義②)

 引続き、岐阜県文化伝承課 主査 川瀬健秀氏に講義して頂きました。

 1.登録制度について、2.登録の手続きについて、3.登録後の各種手続きについて、4.登録有形文化財に関する補助事業について、5.登録有形文化財の活用について学びました。

 岐阜県内の登録文化財の件数273件と全国件数13,410件に対して割合から見ても少ないことがわかる。要因は様々であるが、現在も埋もれている文化財担当の物件が多く存在する可能性が高い。

 なかでも、旧飯地公民館五毛座(恵那市)の紹介があり、全国的に見ても屋内型芝居小屋が現存しているのは珍しく、地芝居大国ぎふWebミュージアム芝居小屋360°VR

(http://jishibai.pref.gifu.lg.jp/)の紹介もありました。

 続いて近年の県内の登録有形文化財の事例紹介を数件頂き、前々回見学に訪れた旧岡田酒店店舗兼主屋(大野町)の紹介も頂いた。

 登録の手続きについて、文化庁のHPに沿いながら、事例を踏まえ詳しい説明を頂いた。(文化庁のHPがとてもわかりやすいのでそちらを参照の事)

 登録後の手続きに続いて文化庁のHPに沿いながら、事例を踏まえ詳しい説明を頂いた。(文化庁のHPがわかりやすいのでそちらを参照との事)

 登録文化財の活用について、事例を何例か紹介頂いたが、観光施設、カフェ、宿泊施設、との事で、目新しいものは無かった、積極利用の為にもヘリテージマネージャーの今後の活動が大いに期待される。

建築基準法第第3条の解説とが該当建築物について

 延期となった為、石黒会長により登録に向けた資料作成の解説が行われた。

 

石黒会長講習風景              講義の様子

8e5c5ea7f394f4be1581164939f521e6ef1eba39.jpeg 8681fff1549691559ac68a83a25560690c0594bc.jpeg

 

 岐阜市司町の旧岐阜県庁舎をモデルに登録申請に必要な資料を作成され、調査方法と調査のポイント、意見書の作成方法とそのポイント、進達書の作成方法とそのポイント等の解説がなされた。

 馴染みの深い建物での実例紹介でとてもわかりやすく、しかしながらヘリテージマネージャーの大変さと役割の大きさも感じずにはいられなかった。

 

次回のガイダンス

 9月17日(土)開催(ワークプラザ岐阜にて)の説明を行いました。

 

 

 

 

続きを読む

HM 第5日目

テーマ:文化財建造物の防災・現在について及び災害時の対応について学ぶ(講義①)

    文化財建造物の耐震対策について補強・修繕の要点を学ぶ(講義に)

日時 :令和4年7月23日(土) 13:00~17:10

場所 :みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市立図書館内) おどるスタジオ

参加者:29名

 

石黒会長による第5日目開会あいさつの様子

4d5aef4bedfc2b942650f21e7f516a17d4e2e819.jpeg

 

文化財建造物の防災・減殺について及び災害時の対応について学ぶ(講義①)

 岐阜大学準教授 村岡治道氏に講習して頂きました。

 これまでの災害から得られた教訓と取り組みについて学び、特にヘリテージのきっかけとなった阪神・淡路大震災後の各地での取り組みと課題についてお話をいただきました。文化財は社会や住民に欠かすことのできない基本的な公共財であることから、喪失することは地域機能の低下や地域の誇りを無くすことにもつながるため、指定文化財のみではなく未指定文化財も含めて修理や保存そして救出、保護に至るまでヘリテージマネージャーとして取り組みの意義を考えていく必要があるということです。

 文化財建造物の防災に関しては法的な扱いとして、国が定めている災害対策基本法の中に文化財に関する項目もあるため、国の防災基本計画・県の岐阜県地域防災計画に基づき予防や応急のみではなく、建築側の人間が見落としがちな復旧・復興に至るまでを含めた、守るだけではなく災害が起こった後も守っていくためにヘリテージマネージャーは必要な災害対策をおこなっていく必要があることを学びました。

 また、これらの法や計画書には、「減災」の定義がないことや、災害復旧についてはあまり詳しく書かれていないことから、防災をあきらめた甘い考えが減災であること、被害100→被害99となっても減災となることおよび、過去の裁判事例から想定外は言い訳でしかないという判決がされていることをふまえて減災や災害復旧についてどのようにするのかを今後、岐阜ヘリテージマネージャーとして考えていくべきことであると課題提起いただきました。

 休憩をはさみ講義の後半のパートにおいては、阪神・淡路大震災と熊本地震の被害調査と復旧の事例を学び、阪神・淡路大震災の教訓から発足した、ヘリテージマネージャー誕生後の熊本地震ではヘリテージマネージャーによる指定文化財か否かにかかわらずの調査・復旧に向けた助言支援・支援対象建造物の選定及び復旧方法についての提案といった活動事例などもお話しいただきました。ただ、今後の課題として災害発生時の初動の対応・人材の確保と育成といったヘリテージマネージャーに関することや、未指定歴史的建造物に対する支援制度といったことに対して岐阜では対応出来るようになっていくと望ましいとお話しいただきました。

 最後に、地震発生時の避難誘導として、「めがね」(目利き=災害発生時どのようなことが起きるのか平時においても見えること)の映像によるトレーニングをおこないました。地震発生時から5秒後に本棚が倒れて下敷きとなり死ぬ。6秒で建物が倒れて倒壊に巻き込まれ死ぬ。ということから、地震発生から数秒で生死が決まることを念頭に、文化財や建造物を守ると同時に見学に来ている観光客や利用者の命や身体を守ることもヘリテージマネージャーは考えるべきであるということを学びました。特に耐震性の低い文化財において、どのように耐震性を考えるのかそして所有者に対しては災害時このようなことが起きるため、このような誘導をしてくださいという提案までもおこなう必要があり、場合によっては文化財であっても建物内に鉄骨でシェルターのようなものを配置するということもあり得るかもしれないということでした。

 

村岡治道氏講習風景             ディスカッションの様子

ea81a0d110dcc00f50130b29bdf9ca2a8b04c214.jpeg 12913ad53e8bae1ac8ea6057ef21bff523222f9d.jpeg

 

文化財建造物の耐震対策について補強・修繕の要点を学ぶ(講義②)

 続いて岐阜県森林文化アカデミー教授 小原勝彦氏に講習して頂きました。

 パート1として耐震診断方法は、重要文化財の基礎診断内容としては、重要文化財(建造物)耐震診断指針 平成11年4月8日 庁保建第19号 文化庁文化財保護部長通知に基づき、「機能維持水準」「安全確保水準」「復旧可能水準」これら3つの評価基準のうち、どれを満たすようにするのか選定して評価をすると学びました。

 パート2として現状の耐震性能調査は、木造建築病理学でおこなっている詳細調査を参考に調査要点などを実際の写真を見ながら確認していきました。一般的な木造建築と同様に梁上耐力壁は耐力壁の低減が50~70%となるため過大評価しないとこや、横架材の下側(引張側)に欠き込みや腐朽があると大幅な曲げ低減となるため見逃さないことが大切であるということでした。また床の傾斜は発生原因を追究して原因から直していなかいと修繕してもまた傾斜が発生するため気を付ける必要があることや、特に重要伝統的建造物は非常に重い屋根であることが多いので、柱の有効細長比がNGとなることが多いので注意する必要があることも学びました。そして常時微動測定の結果から推定できる限界耐力計算の弾性剛性や最大耐力、変形、固有振動係数など一見、無関係と思われるようなものでも数々の物件をグラフで集計していくと相関性が見えてくることも学びました。

 パート3として耐震補強計画と事例を耐震補強要素とともに8事例見ていきました。中には育成講座3日目に実地研修をした美濃和紙あかりアート館の事例もあり、実地研修では隠蔽部で見ることのできなかった補強の状況を写真で確認することもできました。また、耐震補強計画については耐震補強の評価目標をどこに設定するのかを所有者の考えや補助金の耐震基準値などをふまえ、物件ごとに所有者や行政と打合せをしながら、建築物にかかる力の流れをコントロールした耐震補強計画の立案をしていく必要があることを学びました。

 パート4として耐震補強の効果検証を6事例を見ていきました。常時微動測定による耐震補強前と耐震補強後の変化を数値としてグラフで確認し耐震改修をおこなうことにより、固有振動数0.9~4.2Hzの上昇を見ていきました。また、耐震改修と同時に温熱環境改修をおこなった事例についても紹介いただきました。

 そして今後の課題として、現状は調査が先になるケースが多いが耐震改修の構造ルートや耐震改修性能の設定の違いにより、それぞれ見るべき調査部分や耐震補強の範囲が異なってくるため、これらは調査する前に決めておきたいことや、対策をおこなった後の効果測定を所有者にも実感できる機会を作っていくことを考えてほしいとお話しいただき、最後に質疑応答をおこない終了しました。

 

小原勝彦氏講習風景             ディスカッションの様子

e331bf25b2e86faf879d67ba1e4f8c07f1a2c0cf.jpeg 18cf2cd61c35c30fbc0114573071bde712253c64.jpeg

 

次回のガイダンス

 8月20日(土)開催 (ワークプラザ岐阜にて)の説明を行いました。

続きを読む

HM 第4日目

テーマ:国有形文化財 岐阜公園三重塔について、懸垂式心柱や搭の構造などを学ぶ(講義・演習)

    申請の業務「文化財建造物の申請について学ぶ」(講義)

日時 :令和4年6月25日(土)12:00~17:10

場所 :講義   岐阜市歴史博物館 講堂

   :実地研修 岐阜公園三重塔

参加者:33名

 

会場:岐阜市歴史博物館            石黒会長挨拶の様子

image1.jpeg  d835347e93056e97d6848744fc8f8d4da5ff5aa2.jpeg

 

岐阜公園三重塔「搭の構造」(講義)

 有限会社伊藤平左エ門建築事務所 名古屋事務所所長 望月義伸氏に講義して頂きました。

 講義が始まる前に岐阜市が委託して作成された三重塔のDVDを15分ぐらい放映されました。

 講義の前半は、建物の構造の歴史から作図や写真などを拝見しながらの講義になり、建物構造の始まりは、柱などなく構造材を斜めにたてかけて三角の構造から成り立ち、次第に掘立柱を中心に建てた建物の構造となり、周りに柱を建てるようになっていったのが建物の基本となったそうです。

 構法では通柱に貫を指す構法が唐から伝わってきて現在の構法の基本となり、現在では残念なことに余り貫が使われなくなり胴差に金物で引っ張る構法が支流になってきているそうで、構造の歴史から学べてとても勉強になりました。

 搭構法の種類は、積重構法、長柱構法、櫓構法があり岐阜の三重塔は櫓構法になっているそうで、櫓構法は上の重みで下の建物を押さえる工法になっているため、相輪は飾りだと思っていましたが、飾りだけではなく下の建物の錘になっている為、あれだけの長さ(重さ)が必要なのだと分かりました。また、櫓構法は少しの風でも心柱が動く構法になっているのだと分かりました。

 後半の講義は、岐阜公園三重塔の意匠、構造、材料の改修法についての講義でした。

 構造改修と構造性能評価は、構造形式の振動実験、改修前の三重塔の振動特性実験、終局強度算定、地震動時刻歴応答解析(告示派と兵庫県南部地震波)、樹種の同定、木材の材料試験をおこない、実際の振動特性は建物の振動実験結果を参考にして、軸部や桝組の特性を明らかにし、経年変化を受けた改修前の構造調査によって、補強材の挿入、新材への取替えなどの対策をおこない、文化財建造物としての従来の構造を可能な限り残した改修をしたそうです。基礎をアンカーボルトで固定したり、めり込み防止の為に鋼製プレートを大斗下に敷くなど金物による補強も必要なのだと分かりました。

 

望月義伸氏紹介風景              望月義伸氏講義風景

image3.jpeg  image4.jpeg

 

岐阜公園三重塔見学(実地研修)

 岐阜公園歴史博物館から徒歩5分ほどの所に三重塔があり、そちらを研修しました。通常建物内までは見学できないらしく通行不可の柵がしてありましたが、岐阜市役所の協力で建物の内まで見学をさせて頂きました。心柱が吊って浮いている1階部分しか見学することは出来ませんでしたが、心柱が浮いている所や心柱と周りの隙間が空いている所などは確認する事が出来ました。三重塔内で望月氏の説明や質疑応答まで対応頂け、四天柱が調査の結果5色で塗られていたので、当初の色を再現させた5色に塗られている事、また黄色部分だけ汚れているが、改修当時は綺麗な黄色だったが、黄色部だけ虫が花粉と間違えて寄ってきて汚すのではないかと面白い話も聞けました。

 2階以上も上に登る事は出来るそうですが、梯子を掛けて登るらしく今回は登れませんでした。見学前の講義で聞いた下の建物を上の建物で抑えている所や、金物を使い心柱から隅柱などを繋げている所が見学出来なかったのが少し残念でした。

 

岐阜公園三重塔

image5.jpeg

 

岐阜公園三重塔見学風景       岐阜公園三重塔見学風景

333d2bbd775b90300d16022423c2465ff75420ff.jpeg  image7.jpeg

 

岐阜公園三重塔見学風景            三重塔内での講義風景の様子

image8.jpeg  fe92a1b84922e9de8f290d9fa3cff06f5056af5e.jpeg

 

登録有形文化財 申請の実務(講義)

 続いてあいちヘリテージマネージャー協議会 川口亜稀子理事に講義して頂きました。

 講師は意匠系の設計事務所をおこなっていましたが、登録申請業務をサポートする仕事を手伝ったことでヘリテージマネージャー養成講座を受講し調査などの仕事をされ、今ではヘリテージの登録手続きをするようになったそうです。あいちヘリテージ協議会がどの様に申請業務をおこなっているかなど話を伺えてとても勉強になりました。

 あいちヘリテージ協議会が携わった川田家住宅の説明から、登録手続きの具体的な申請と書類の流れ等をヘリテージマネージャーの立場から説明して頂きました。

 まずは見学会及び勉強会を開催し、建物所有者が登録有形文化財への意思があるか確認をおこない、意思があればあいちヘリテージ協議会が独自で作成された書類に基づき事前相談をおこない、所有者の意向確認と登録候補物件に該当するかなどの確認をおこなうそうです。

 次に所有者の同意を取り登録の実査に向けての準備や事前調査申込書の提出(調査費25,000円)、申請スケジュール・チェックリストを活用しながら事前調査をおこない、文化庁の実差を受ける。ここで正式に業務委託(業務委託300,000円)を交わし申請の手続きに入っていくそうですが、文化庁の指定された方法で書類を作成するので写真の撮り直しなどもあるそうなので、ひな形を見ながら写真や書類などを作成しないといけない事が分かりました。注意事項として登録に向けての同意書は全て所有者から頂かないといけないので、所有者の謄本を取寄せ、全ての所有者の確認をしないといけないそうです。あいちヘリテージ協議会でも未だにスケジュールの変更や金額設定はおこなっているそうで、実査段階(事前調査)でほぼ書類を揃える事になるので、金額の割合や諸経費なども考えていくと良いそうです。

 後半の講義では、登録後の実務の内容を講義頂きました。

 所有者や管理者が変わっても届け出を出さないといけないので、所有者に対して正確な情報を伝えたり、調べないといけないと感じました。文化財を守っていく思いを所有者に伝え、地域で文化財を守っていく事に意味があることを教えて頂き、自分も同じように伝えていきたいと思いました。

 文化財登録をして頂く為に、建物のいい所や価値のある所を所有者に伝え、何度もかよって説得する部分もあるそうで、仕事と言うよりはボランティア部分が多いと言われ納得しました。また、所見の評価が重要になってくるそうですが、簡素化させて文章をまとめる様に差し戻しがあったり、文字の難しい物や分かりにくい字にはルビを入れたり、数字の文字数によっては半角全角と使い分けたり所見の細かい指示があるそうで、図面などの書類をまとめるより所見をまとめる方が大変だと感じました。

 

川口亜稀子氏講義風景             講義会場の様子

image10.jpeg  image11.jpeg

 

次回のガイダンス

 7月23日(土)開催の岐阜市の説明会を行いました。

  第5回講座 日時  :令和4年7月23日(土)13:00~17:10

        集合場所:みんなも森 ぎふメディアコスモス(おどるスタジオ)

続きを読む
1|2 >>