岐阜県建築士会 まちづくり委員会

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岐阜県HM 2022年度

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HM 第3日目

テーマ:伝建地区の登録文化財と街並み実地研修(講義・演習)

日時 :令和4年6月11日(土)10:00~15:00

場所 :午前講義   美濃市健康文化交流センター 2階会議室

    午後実地研修 美濃市美濃町伝統的建造物保存地区

            美濃和紙あかりアート館

            市指定文化財 旧今井家住宅

参加者:31名

 

石黒会長の挨拶の様子

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伝建地区の登録の登録の経緯および保存、活用の方法・考え方、課題等(講義)

 美濃市文化財保護審議会委員 会長 古田憲司氏に講習して頂きました。

 上有知(こうずち)について文献等から分かっていることを時系列にて、また上有知の城下町はどのように計画されていったかをお話しして頂きました。四神思想が取り入れられているため区画は方位が振っているそうです。現在もその思想は残されていますが、東に設置されていた夕立岩は高速道路建設の為取り壊されてしまったそうで残念です。また、区画の真ん中には上有知蔵人の墓と竹林庵を配したそうです。

 現在の美濃市の町は溝から溝までの4間道路ですが、当時は約5間あったそうです。享保の火災後延焼しないよう道路を拡幅したのではという話もあるそうですが、そういう伝承はないそうなので詳しいことは今のところ不明だそうです。そのことについて古田氏より私たちに質問がありましたが、どれもありそうな回答でした。景観の為電柱を地中に埋設する時に一緒に調査していれば答えが出たかもとおっしゃっていましたが、分からない中実際に街並みを見て考察するのも楽しいかなと思いました。

 

古田憲司氏講義風景

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ディスカッションの様子

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美濃市美濃町伝統的建造物保存地区補助制度について(講義)

 続いて美濃市教育委員会 人づくり文化課 文化財係 係長 石井里英氏に講習して頂きました。伝建地区にしていくにはなぜ美濃町が成立したか、どのように成立したのかと町の歴史が大事だということで、前半に上有知の歴史を古田氏にお願いしたそうです。その歴史を知った上で、伝建地区の選定の経緯を説明して頂きました。昭和50年代に街並みの価値が再認識されはじめてから、長い年月をかけて色々ご苦労され平成11年に「美濃市美濃町伝統的建造物保存地区」に選定を受けたそうです。

 美濃市においては伝建地区の「修理:伝統的建造物の修理」と「修景:伝統的建造物保存群以外の建造物を新築、修景等をする場合」とを使い分けているそうです。修理は当時のものに復元するが、修景は景観を整えることなのでやりすぎない修理となることが難しいところだそうです。

 伝建地区の諸問題としては、職員は考古学出身者が多い為、建物についての知識がある人がいないということや、文化財指定には建物に指定がかかるため、指定時には納得されていても代替わりで意識が薄れてしまって所有者側の理解を得ることが難しく心苦しいのが現状だそうです。また、代替わりで空家問題も存在しているそうです。倒壊のおそれがあり、実際にやむなく除却ということもあったそうですが、まだその解決方法は見つかってないそうです。より良い方法で、適切に保存されていくと良いと思いました。

 

石井里英氏講義風景

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次回のガイダンス

 6月25日(土)開催の岐阜市の説明を行ないました。

 

昼食のお弁当

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伝建地区散策及び美濃和紙あかりアート館、今井家住宅見学(実地研修)

 3グループに分かれぼらnボランティアガイドの五十川さん、高岡さん、後藤さんの3名に伝建地区を散策しながら説明して頂きました。

 美濃マップを頂き、午前中の講義を思い出しながら説明を聞きました。今回の実地研修の予定にはありませんでしたが、国の重要文化財になっている「(株)小坂酒造」も内部も少し見せて頂き説明を受けました。建物の説明だけではなかったので美濃市の街並みが守られてきた歴史的背景等も実感することができました。修景についても納得しましたが、選定される前に建て替えられた建物が浮いてしまっている印象でした。外観からの見た目だけでだいたい何百年前のものか分かるウダツの違いについても教えて頂きました。実際に見ながらなので覚えやすかったです。

 今井家住宅では建物の中を回りながら、途中「水琴窟」の音色を楽しみ、美濃和紙あかりアート館では歴代の優秀作品を見せて頂き、和紙のすばらしさを再確認できました。見学時間があまったので、築100年の古民家を良いところを残しながら改装した「NIPPONIA 美濃商屋町」も見学させて頂きました。宿泊部屋はもう泊り客が入っていたので見せては頂けませんでしたが、ギャラリー等は見せて頂きました。補強はされていましたが、柱や壁の傷はそのままであったりと当時の状態を上手に残して改装してありました。

 第1日目で教えて頂いた、「保存」、「活用」、「地域」が理解できた実地研修でした。

 

「美濃市美濃町伝統的建造物保存地区」

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「日本の音風景 100選」に選ばれている今井家住宅の『水琴窟』

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グループごとに研修:1班 NIPONIA 美濃商屋町

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グループごとに研修:2班 美濃和紙あかりアート館

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グループごとに研修:3班 旧今井家住宅

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