岐阜県建築士会 まちづくり委員会

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岐阜県HM 2022年度

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HM 第2日目

日時:令和4年5月28日(土)10:00~16:00

場所:午前 大野町第1公民館 多目的ホール

   午後 登録文化財 旧岡田家住宅

      古民家旧岡田酒店

      国指定重要文化財 牧村家住宅

参加者:32名

 

次回のガイダンス

 6月11日(土)開催の美濃市の説明を行ないました。

 

講義の様子

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文化財保護法・文化財体系について(講義)

 県文化財伝承課 課長補佐兼係長 末松光孝氏に講習して頂きました。

 文化財とは「国民の財産」という大前提の中で「文化財保護法による文化財の体系について」お話しして頂きました。文化財は6つの系統とその他として2つの系統でまとめられていました。

 有形文化財の中には建造物と美術工芸品があり建物の中には橋も含まれていたりと、知らなかったり曖昧だったものが名称と写真でまとめられていたので、これを見ながら覚えていきたいと思います。

 次は文化財の保護法が出来ていった経緯をお話し頂きました。昭和25年に制定されましたがその背景としては、戦時中に色々失われたこと、「昭和24年の法隆寺金堂壁画の消失」から色々な法がまとめられ「文化財保護法」が出来たそうです。「保存」が主と思っていましたが、最近よく行われているなという「活用」も最初から法で決められていたことには驚きました。

 

末松光孝氏講義風景

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岐阜県の文化財行政について(講義)

 引続き末松光孝氏に講習して頂きました。

 都道府県別の指定状況を説明して頂きました。岐阜県は岐阜県指定の文化財が多いのが特徴的でした。岐阜県では昭和29年に保護条例を制定し、その時に文化財保護法の内容にプラスして内容を決めたため県の文化財が多くなっているそうです。他県では見られない岐阜県の特徴としては国の指定は直接指定されることはありますが、県の指定は必ず市町村の指定を受けたものしか指定されないということだそうです。

 「岐阜県文化財保存活用大綱」が令和3年3月に制定され、岐阜県のホームページで見ることが出来るそうです。趣旨と背景を説明して頂きました。

 文化財の保存や活動に対する課題として表に見える担い手不足以外に修理・保存に補助金が出ても補助の為、持出分の負担が大きくなり手放し解体され更地になり、それではダメだということで大綱が出来ていったそうです。牧村家住宅で「修理記」が掲載されており所有者負担金額に驚きました。

 大綱について詳しくお話しして頂きました。現在市町村で『文化財の保存活用地計画』が策定されいるのは岐阜市、美濃市の2市で美濃加茂市、高山市が作成途中だそうです。この計画策定には膨大な書類や時間がかかりますが、補助金を活用して県内に増えて行ってほしいとのことでした。

 

質問の様子

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昼食のお弁当

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地域の歴史的建物調査。保存活用について(講義)

 岐阜県博物館 元館長 髙橋宏之氏に登録文化財 旧岡田家住宅、古民家旧岡田酒店、国指定重要文化財 牧村家住宅にてお話しして頂きました。

 旧岡田家住宅では大野町長 宇佐美晃三氏より文化財指定までのいきさつについての解説を交えてご挨拶頂きました。

 

髙橋宏之氏講義風景

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大野町長 宇佐美晃三氏挨拶風景

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登録文化財 旧岡田家住宅(講義・現地視察)

 北岡田家は江戸時代より苗字帯刀を許された庄屋として当地を拠点に活動をされ、今日まで地元の名家として住宅を保存されてきたとのことで、廃藩置県や農地解放により建物維持についてご苦労されてきたことを説明頂きました。広い敷地に主屋の他、離れ、米蔵、道具蔵、納屋等が現存し、2つの門を起点に高い塀が敷地を囲う形態となっていました。広い敷地には手入れされた庭園があり、日々の手当てもあり今なお素晴らしい情景を残していました。主屋については部分的に補強が施されており、将来計画として屋根の軽量化を目指されているとのことですが、多くの費用が掛かる工事にて実現には時間が掛かりそうです。耐震化が万全となれば地域の観光の名所にもなりえると考えますので是非とも耐震、防災設備を充実して頂ければと思います。

 

「登録文化財 旧北岡田家住宅」での講義の様子

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古民家旧岡田家酒店(現地視察)

 旧北岡田家の西に位置する旧酒屋として、現在は民泊施設として利用されているとのことで、大きく修繕することなく今に至っているとのことでした。周辺塀には船板塀が残る歴史を感じることが出来ました。古民家利用として参考になると感じました。

 

「古民家旧岡田家酒店」の現在の様子と船板塀

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国指定重要文化財 牧村家住宅(講義・現地視察)

 過去、改造改修、改装を重ねてこられたとのことで、現在の姿に復旧される流れを説明頂きました。今の姿になる前の復旧図面を拝見すると、現在までに復旧される過程は大変興味深いものがありました。座敷においては現在の日本における「座敷」ではなく宗教的な意味合いの大きい室であったであろうとの解説が記憶に残りました。構造においては「鳥居建」と言われる構造で上屋と下屋に分かれた工法とのことで、愛知、岐阜、滋賀にてみられる特徴的な民家であることをご教授頂きました。

 

「国指定重要文化財 牧村家住宅」での現地視察の様子

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 今回の講座で現地にて文化財を直接見学することができ、大変勉強になりました。