岐阜県建築士会 まちづくり委員会

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岐阜県HM 2022年度

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HM 第7日目

テーマ:世界遺産、民族・無形文化財について(講義①)

    日本遺産、文化的景観、記念物(史跡・名勝・天然記念物・埋蔵文化財)について(講義②)

    文化財登録の実務について(講義③)

日時:令和4年9月17日 (土) 13:00~17:10

場所:(一社)岐阜県勤労福祉センターワークプラザ岐阜 3階 302会議室

参加者:29名

 

石黒会長による第7日目開会挨拶の様子     講習の様子

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世界遺産、民族・・無形文化財について(講義①)

 岐阜県文化伝承課 伝統文化係 主査 可児奈緒美氏 に講習して頂きました。

1.世界遺産について

 アスワンハイダム建設によるヌビア水没の危機が創設の契機となったこと、世界遺産には文化遺産・自然遺産・複合遺産の3種類があること、世界遺産の登録に至る流れを解説していただきました。

 日本には現在25件が登録されている。(法隆寺、姫路城、屋久島、白神山地等々。)

 岐阜県内にはまもなく登録30周年を迎える白川郷・五箇山の合掌造り集落がある。

 特徴として、住民憲章による制限・バッファゾーンによる景観保全・「結」と呼ばれる伝統的互助システムがあげられるが、維持するための課題(オーバーツーリズム・少子高齢化・防火対策)もある。

2.無形文化財について

 工芸技術・演劇、音楽などを、国指定・県指定の文化財として指定している。

 岐阜県内では、やはり陶芸などが多い印象。令和4年7月に地芝居振付が新たに指定された。令和3年、新たに登録制度が創設された。第1号として、書道と伝統的酒造が国登録された。県の登録はまだ無いそうです。

3.民俗文化財について

 地域に根差した風俗風習や民俗芸能などを、国指定・県指定の無形民俗文化財として指定している。

 有形民俗文化財は、無形民俗文化財に用いられる衣服や器具などを指定している。

 大切なのは価値が高いから重要ではなく、地域の特徴を表していることが、重要視されていること。

 また、ユネスコ無形文化遺産の活動が、世界遺産の約10年後から始まったが、日本は古くから無形文化遺産の保護活動をしており、世界の先駆けと言える。

 ただ今後の課題もあり、伝統技術の原材料や用具の確保が困難なことや、山・鉾・屋台等の収蔵庫のあり方は、防犯・防災・活用の面からも、重要視されています。

 令和3年から登録制度も始まり、岐阜県内では岐阜提灯の製作用具及び製品・美濃の陶磁器生産用具及び製品の2件が登録されている。

 

可児奈緒美氏講習風景            小野木学氏講習風景

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日本文化遺産、文化的景観、記念物(史跡・名勝・天然記念物・埋蔵文化財)について(講義②)

 岐阜県文化伝承課 記念物保護係 課長補佐兼係長 小野木学氏 に講習して頂きました。

1.文化財の意義と保護

 文化財保護法は、文化財の保存活用を図ることにより、国民の文化的向上・世界文化の進歩に貢献することを目的としている。

 また、公共のために周到の注意をもって保存し公開する等、文化的活用に努めなければならない、としている。

2.記念物

 ・史跡:県内の代表例として、久々利銅鐸発掘の地(可児市)、昼塚大古墳(大垣市)、次郎兵衛

  塚古墳(可児市)、美濃国分寺跡(大垣市)、弥勒寺官衛遺跡群(関市)、黒野城跡(岐阜市)等の紹

  介。

 ・名勝:県内の代表例として、木曽川(各務原市・坂祝町・可児市・犬山市)等の紹介。

 ・天然記念物:県内の代表例として、白山神社のヒトツバタコ(土岐市)等の紹介。

3.重要文化的景観

 県内の代表例として、長良川中流域における岐阜の文化的景観(岐阜市)の紹介。

4.埋蔵文化財

 県内の代表例として、中切上野遺跡(高山市)の紹介。

5.日本遺産

 文化庁が認定する「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリー」

 現在全国で104件が認定され、岐阜県内では以下の4件が認定されている。

 ・「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜(岐阜市)

 ・飛騨匠の技・こころ-木とともに、今に引き継ぐ1300年-(高山市)

 ・木曽路はすべて山の中 ~山を守り山に生きる~ (中津川市)

 ・1300年続く日本の終活の旅~西国三十三所観音巡礼~(揖斐川町)

 文化庁が6年毎に認定の見直し作業をしている。今後は新規のものと入替えがあるかもしれない。

 

文化財登録の実務について(講義③)

 前半は、あいちへヘリテージ協議会 市川真奈美氏 に講習して頂きました。

 あいちヘリテージマネージャー養成講座の演習課題であった「私の見つけた文化財」から、実際に登録文化財に登録された実例をご紹介いただきました。

(「私の見つけた文化財」は、今回の育成講座のカリキュラムにも組み込まれている。)

 愛知県美浜町の野間郵便局旧局舎を題材として選定され、演習課題に取り組まれました。講座終了後、所有者の希望を受けて、実際の申請手続きを始められました。

 事前相談時に、県の担当、文化庁から指導された事項としては、所見の内容をもっと深めることや。写真位置図の作成、各書類上の不整合を無くすこと等の指導がありました。

 実際の登録申請の際にも、所見の内容にない写真は不要である事、写真は片付けた状態のものとする事、等々、再度の書類チェックを受け無事登録の運びとなりました。

 登録活動後も、会を作成して、保存活用のために様々はイベントにも共同参加をされています。(会を作成すると、助成金を受けやすいそうです。)

 そしてその後、新たな登録文化財の登録活動も続けられています。

 他、平成26年~令和4年まで、あいちヘリテージが携わった登録文化財をご紹介いただきました。

 

市川真奈美氏講習風景            山本栄一郎氏講習風景

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 後半は、あいちヘリテージ協議会 山本栄一郎氏 に講習して頂きました。

 本講義の最終日の発表会について説明。

 1.日時:令和5年3月4日(土) 13時から15時まで

 2.場所:OKBふれあい会館

 3.方法:(1)受講生は別紙の班ごとに見つけた登録文化財の候補となる建造物の調査を行

        い、別途様式により整理して報告書にまとめる。その際、発表を前提にしてい

        るため、所有者の了解を得る事。

      (2)原則として居住地又は勤務地周辺を中心とする地域で、登録文化財の候補とな

        る建造物を見つけることとするが、その他の地域でも可とする。

      (3)各班は、報告書と発表会用の概要書(A4判8頁以内にまとめたもの)を、建築士会

        事務局にデジタルデータで提出する。

      (4)発表会は、プロジェクターを利用して行うものとする。

      (5)発表会における各班の持ち時間は20分とし、発表15分質疑応答5分とする。

      (6)発表終了後に講師等の講評をいただきます。

      (7)なお、この発表会は一般の方の聴講者の募集をして、公開で実施する予定です。

 

 登録文化財のメリットとして、地震等災害時の修理費用(復元費)が文化庁からある程度補填されることが見込まれる、商業施設では、商工会議所からの修理費用もいくらか受けられるようです。

 また、自然災害時の文化財の被害調査にヘリテージマネージャーの派遣も今後検討されているようです。

 あいちHM受講生の「私の見つけた文化財」実例を2つご紹介いただきました。

 ・大治町 明眼院 多宝塔 (建立年代不詳(室町時代頃?)、明治時代に修築されたが江戸時代の

  書物にも記されている建物。)

 ・碧南市 旧大浜警察署 (大正13年建設後、度々増築工事され、平成21年耐震補強・外観整備

  されている。)

 質疑応答を受け終了となりました。

 

講習の様子                 講習の様子

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次回のガイダンス

 飛騨支部幹事様より、8日目・9日目の高山市での講習・見学会について説明がありました。

 

 各班個別ミーティング後、解散。