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平成28年度活動報告

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第59回建築士会全国大会「大分大会」 2日目 エキスカーション報告

大分駅前にて

 

第59回建築士会全国大会 「大分大会」
日 時:平成28年10月22日(土) 
               23日(日) エクスカーション

会 場:別府国際コンベンションサンター ビーコンプラザ
     (大分県別府市山の手町12-1)
    別府市公会堂
     (大分県別府市上田の湯町6-37)
テーマ「ひとづくり」「ものづくり」「まちづくり」で地域の創生
    おんせん県おおいたで湧き上がる多様な知恵
参加者:4名

エキスカーションコース一覧

Aコース 歴史と平和を考える 宇佐神宮・戦争遺跡を巡る旅
Bコース 杵築の町並みと1300年の歴史先達・天台宗住職と巡る国東半島 特別拝観ツアー
Cコース おおいた建築巡礼~巨匠達の名建築~
Dコース 別府と温泉文化と歴史遺産めぐり
Eコース 静寂な山荘と湯の坪街道の秋を巡る湯布院のまちづくりのビジョンを学ぶ
      ~オシャレなお土産店、カフェ、食べ歩きの湯布院の真実~



 


 

地域交流見学会(エクスカーション) Bコース:

杵築の町並みと1300年の歴史先達・天台宗住職と巡る国東半島特別参拝ツアー


 報告者:桂川麻里
 

エクスカーションのコースは全部で5コースありましたが、自分ではなかなか回れそうにない、国東半島のコースを選びました。

8:00に大分集合で出発しました。当初は1台のバスで巡る予定だったそうですが、予定していたよりはるかに参加人数が多く2台のバスで巡りました。

 

最初は大分の小京都と呼ばれる「杵築の城下町」を散策しました。杵築城を中心に高台に武家屋敷が南北に配置され、その合間に商人の町が挟まっているので、「サンドイッチ型」城下町と言われ、全国の城下町の中でもこの形式はここだけと言われているそうです。
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(町並み見学の様子)

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(坂道)

 

南北の高台の武家屋敷に上がっていく階段は、商人の通りの主な屋号を付け○○屋の坂とそれぞれ呼ばれています。

バスを降りて、武家屋敷の中で一番大きな大原邸へ向かう途中、北浜口番所を通りましたが、その名が示す通り、昔は砂浜がその近辺まで来ていたようです。
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(ボランティアガイドさんから説明を受ける)
 

大原邸は京都の大原三千院より移ってきたので、大原と名乗っていたようです。内部はすごく豪華という印象ではありませんでしたが、庭園と建物のバランスがよく、もう少しじっくり見たかったのですが、他の見学者の方々もみえたので、主要な部分のみ見ていきました。
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(大原邸 内部)

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(大原邸 庭)
 

一般的に、畳数は6帖間、8帖間のように偶数ですが、偶数が不吉とされていたため、あえて7.5帖等のように奇数で納めているのは初めて見たので面白いと思いました。

雨で、思ったように散策は出来ませんでしたが、杵築城の姿だけでも拝見したかったです。

バスへ戻り杵築ふるさと産業館でバスガイドさんお勧めのジュース、「つぶらなかぼす」を購入し喉を潤しました。

 

次に向かったのが、「六郷満山 富貴寺」です。ここは平安後期に建立されたお寺で、大堂内部の壁画の損傷が激しい為、天候によっては内部の拝観が出来ないそうです。
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(富貴寺 大堂)
 

そして最悪なことに雨脚が強くなってきたので、もう見られないけど、外観だけでも良いかなと思っていましたが、JTBさんが到着前に電話連絡をしていてくれたおかげか、拝観することが出来ました。

壁画を守るために内部は薄暗いままでしたが、しばらくして目が慣れてくると、壁画が壁の中から浮かび上がってきてとてもきれいでした。

壁画を復元させたものが、大分県立歴史博物館で見ることが出来るそうです。一度訪れてみたいです。

大堂は九州に現存する最古の木造建築で榧の大木一本のみで建てられたと言われているそうです。大堂の前に大きな榧の木が一本ありましたが、それよりももっと大きかったのだろうと予想されました。
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(榧の木)
 

大堂の外の左手には宝篋印塔のような国東塔と呼ばれる石塔がありましたが、この形の塔はこの国東半島でしか見られない形だそうです。
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(石塔)
 

貴重なものがいっぱい詰まった富貴寺ですが、檀家さんが10件ほどしかなく、内部の拝観料も200円の為、なかなか整備が出来ない状態だそうですが、拝観料が上がってでも一見の価値があるものだと思います。

 

次は「旬彩南蔵」でお待ちかねの昼食です。ここは「豊後高田昭和の町」の一角にある「昭和ロマン蔵」のこれまた一角にありました。
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(昭和ロマン蔵入り口)

 

松花堂弁当を頂いて、ちょうど落花生祭りが行われていたのでゆで落花生を頂き、昭和30年代くらいの車に乗らせて頂いたりして、楽しみました。
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(松花堂弁当)

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(童心に返りました。)

 

昭和32年式のボンネットバスを修理して運行もさせているそうです。走っているところは見ることが出来ませんでしたが、きれいに仕上がっていてかっこ良かったです。
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(ボンネットバス)
 

 

最後に訪れたのは「峨眉山 文殊仙寺」でした。が、その道中、国東半島では石仏が至る所にあるということで、車中からでしたが見せて頂きました。大きな岩にそのまま浮彫にしてあるのがほとんどだそうです。
 

文殊仙寺に到着し、本殿までは300段の石段を上がって行きました。途中に仁王像がありました。国東半島では、仁王像も木造ではなく石造だそうです。先の富貴寺も石造の仁王様でした。
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(石像の仁王像)


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(階段を上る)

 

本殿の見えるとこまで上って行って、見上げるとあまりの崖の高さと近さに驚きました。その崖の中に秘仏である文殊菩薩様が鎮座されているそうです。12年に一度卯の年に御開帳されるそうです。まだまだ先ですが、これまた見てみたいです。
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(本殿の後ろの白く見えている部分は岩です。)
 

本殿の中で護摩祈祷して頂きました。護摩祈祷は初めてですし、テレビで拝見する時は後ろからの映像しか見たことはありませんでしたが、人数が多いおかげで!?横から拝見させて頂きました。とても貴重な体験で、知恵が授かった気がします。
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(護摩祈祷の様子)
 

先程からお寺なのに本殿と書いていますが、ここは古来より神仏習合の形態を保っているため、本堂ではなく本殿と言っているようです。秘仏が納められている前面の扉の前には神様が祀られておりその前で護摩祈禱も行いました。

また、本殿横には絵馬もたくさん並べられていました。お寺の境内に神社という形式はいくつもありますが、ここまで一緒というのは初めてでとても神秘的な感じを受けました。
 

 

初めてのエクスカーション参加でしたが、こんな面白いものに今まで参加してないのがもったいなく思いました。

道中、バスガイドさんの上手な誘導のおかげで、自分ではなかなか回れそうにないので今回このコースにしましたが、もう一度訪れて、自家用車で周りたいぐらい良いところでした。

 


 

エクスカーション Eコース
(湯布院のまちづくりのビジョンを学ぶ)


               報告者:小林教子

新潟の古民家を移築再生した「山荘 無量塔(むらた)」と磯崎新氏設計の由布院駅見学と駅前と湯の坪街道の散策をした。藤井会長と河村青年委員長と同行。

最初に総合庁舎にて、10年前のNHK「プロジェクトX」を鑑賞後、市の担当者から景観法に基づく景観計画協定についての話を伺う。これはメインストリートの湯の坪街道周辺地区で、昭和50年頃から行われてきた地域の暗黙のルールを外部参入者に分かり易くするために明文化したものであるという。

建築計画は①壁面後退(1M)②高さ制限(10又は8M)、協定は①商い協定(商品陳列・植栽・照明)②看板協定(大きさ・高さ・色…彩度4~6)③紳士協定から成る。セブンイレブンが協定地区内外に2軒存在するが看板の色が微妙に違っているのが興味深い。

 昼食は、「プロジェクトX」で松造に奮闘した3人の中の一人が経営されている老舗の旅館の系列店で懐石風の食事をいただきました。
小林 全国大会大分大会エクスカーションEコース昼食.pdf

観光地化しているので、外国からの観光客が多い(特に中国)。日曜日であったため騒々しく、残念ながら、馬車を見ることも湯布院のテーマである田んぼやその風景も見る時間はなかった。次回はゆっくりと回りたいものである。

 

  

   (由布院駅舎)                


  
  (由布院駅内部)

 

 

  

     (昼食会場)               

  
     (暗い看板のセブンイレブン)

 

   

    (山荘 無量塔)                

   
    (山荘 無量塔内部)