2010年度
ぎふ木造塾 ~開催案内~
今、戦後に植林をした人工林が伐採適齢期を迎えています。
そんな中、山の保水機能や混室効果ガスの吸収源としての森林の機能に注目が集まっています。
地元の木を使い健全な循環を考えていくことは我々建築士の役目でもあります。
木材は産地においてばらつきのある材料であり、その特性を知るために山の現状や、材料の質、乾燥、加工などについて今まで学んできました。
その木材をどう扱っていくのか、方法論を考える事が木造においてはとても大切です。
そのため実験を重視し、その結果と理論のずれを観察する大切さをぎふ木造塾では感じてきました。
今年のぎふ木造塾では木質構造に関する実験にも注目してみます。
規格化ばかりを重視するのではなく、生きた材料を扱うための意匠設計、構造設計、伝統建築工法について学びます。そして木造住宅の現状にも目を向け、その課題と可能性の検証もしていく予定です
去年に引き続き実践講座として明日から使える軸組架構の設計や、今注目の住宅のエネルギー性能の設計手法についてもしっかりと勉強します。
木造建築について是非一緒に考え、学びませんか。
第1回 6月19日(土)13:30~16:40
「宮内建築の仕事」
講師:宮内寿和氏(宮内建築代表)
木材の水中乾燥方法、四寸角挟み梁工法、
落とし込み板壁、伝統建築工法の話
第2回 7月24日(土)13:30~16:40
1「現代木造住宅~構造設計の現状と課題~」
2「伝統的木造住宅の耐震性能
~実験からわかったことと設計法のあり方~」
講師:大橋好光氏(東京都市大学建築学科教授)
現代木造と伝統的木造、それぞれの特徴と振動実験から明らかになった課題、問題点などについて
第3回 9月25日(土)13:30~16:40
「なぜ、耐力壁に依存するようになったか
--日本の木造住宅は耐力壁を必要としなかった」
講師:下山眞司氏(筑波建築設計代表(前筑波大学教授))
鎌倉時代初期の浄土寺・浄土堂、室町時代末の農家住宅:古井家および箱木家、江戸時代末の商家、高木家の架構法を紹介し、なぜ、その架構法が、現代に継承されなかったのか、その経緯などについて、資料を基に概観します
第4回 10月2日(土)13:00~16:00
「住宅のエネルギー性能の設計手法~住まいの燃費をデザインする~」
講師:辻 充孝氏(岐阜県立森林文化アカデミー講師)
「住宅事業建築主基準」、「白主循環型住宅」の考え方をもとに住宅のエネルギー性能を計算する。ここから導き出されるエネルギー消費量予測をもとに、入居後の光熱費(住まいの燃費)デザインを考える。
※講義の後、16:00~17:00に希望者は施設見学を行います
第5回 10月16日(土)13:30~16:40
「時代の要請にあった木造住宅のあり方とその可能性」
講師:内藤和彦氏(中部大学工学部建築学科教授)と地域で実践活動している建築士
「ぎふ木造塾」初の試みとして、基調講演、(テーマ「在来工法をめぐる住宅史」)と会場を交えたパネルディスカッションを通して木造住宅の可能性についてディスカッションする予定
第6回 11月12日(金)時間未定
【現地見学会】特別企画:E-ディフェンス(兵庫耐震工学研究センター)見学
木造学校校舎振動実験の見学(参加費自己負担)
なかなか、こんな機会にしか見ることができません。一緒に木造建築物の振動台実験を見学に出かけましょう!
※実験日程により、日程を変更する場合があります
Eディフェンス URL→http://www.bosai.go.jp/hyogo/index.html
第7回 11月27日(土)13:30~16:40
「安全な軸組架構を設計するために」
講師:村上淳史氏(村上木構造デザイン室代表)、
望月 仁氏(SYLVANIA DESIGN代表)
構造ブロックの基本 チェック図作成と直下率による設計レヴュー
構造設計レヴューの演習
※その他、都合により変更する場合があります。
受講申し込みは、こちら