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平成26年度活動報告

HOME平成26年度活動報告第14回気楽にらくだ会

第14回気楽にらくだ会

美濃和紙の里会館内 和紙でできたおひな様の前で集合写真


「美濃保育園見学と美濃和紙を学ぶ」
日時:平成27年3月28日(土)
場所:美濃市 美濃和紙の里会館 旧今井家住宅 美濃保育園
参加者:13名(女性委員10名+一般会員3名)

日 程:AM10:20 集合
     AM10:30~ 美濃和紙の里会館見学、紙すき体験、昼食
     PM13:00~ うだつのあがる町並み 旧今井家住宅見学
     PM15:00~ 美濃保育園見学








美濃市の町並み散策

善応寺へ向かう。左側に見えるのが美濃保育園 子育て支援棟です。




美濃和紙の里会館見学・紙すき体験・昼食
 
                       報告者:桂川麻里

美濃和紙の里会館にてまず紙すき体験をしました。
コースはいくつかありましたが、1枚500円で所要時間20分の美濃判コース・30分の落水紙コースから各自選んで作成しました。
私は落水紙コースで、色紙をすきこむものとしました。
担当係の方がスケタ(紙すきの道具)を持ち、すき舟(紙料が入った水槽)に入れると簡単にきれいに、紙料が流れていましたが、自分ですいてみると思った以上に重く紙料がなかなか均等になりませんでした。
次は先程すいた和紙に金属の網を乗せシャワーで水をかけると、その網目模様が紙についたので驚きました。
その後、最初に選んでおいた色紙を置きましたが、一発勝負で置かなければならないので、後からもう一度置き直したい気持ちでいっぱいになりました。
後の水切りと乾かしは担当の方にお任せして、今度は展示室に見学に行きました。
最初に入った展示室は絵が飾ってありましたが、ぱっと見ると油絵のような感じで何でこんなところにこんな絵がと思いましたが、よく見るとすべて和紙の貼り絵となっててすごく感動しました。
次の展示室は、和紙作りの工程が分かりやすく人形で紹介されていました。その横には日本中の和紙があり、和紙といっても地域によって厚さ、手触りが違っておもしろかったです。
次は昼食です。館内にある「花みこし」というレストランでお弁当を食べました。暖かい麺がついて、色どりが奇麗でおいしかったです。
帰る時に出来上がった和紙を頂きました。思った以上の出来上がりでしたが、また紙すき体験をしたいと思います。

今回の見学会では、和紙の良さを再確認出来ましたので、高くはなりますが自分の家の障子を本物の美濃和紙で貼って、色々な人に伝えていけたらと思いました。
 

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(作業の様子)

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(作品を乾かしているところ。作品の前ではいポーズ)

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(売店コーナーを上から撮ってみました)

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(昼食のお弁当)




うだつの上がる街並み見学

               
報告者 飯沼 あい子
 
 昼食後、車で美濃市街地へ移動し始めに旧今井家住宅を見学しました。
ボランティアの古田さんに邸宅の中を案内していただきながら説明を聞きました。
 美濃市の歴史や手すき和紙の盛衰の話から始まり、建物の話になりました。
ここは最も古いうだつ軒飾りの形式を残す江戸末期から昭和初めころまで庄屋を務めた和紙問屋で、今風で言うと和紙問屋組合の筆頭理事のような地位にあり、市内で最大の建坪を誇る名家だったそうです。当時は珍しかった上段造りの座敷から庭の水琴窟(日本の音風景100選にも選ばれたそうです)の優しい音色を聴きながらしばしの時を過ごしました。それにしても室内は寒く、正に「家の作りようは夏をむねとすべし(吉田兼好徒然草より)」を実感しました。
 次に、あかりアート館で歴代のコンテスト受章作品を見学しましたが、街並みに応募作品が展示される時に見てみたいと思いました。ただし、人人人だそうですが・・・
 その後、街並みを廻りながら特にうだつの話をしていただきました。元々は火災の際の延焼防止のためのものでしたが、次第に富や権力の象徴となり、瓦の組合せや装飾を競って造られたとの事で、上を向いて見比べての街歩きとなりました。
 最後にお目当ての町屋を改装した店で休憩をしてから次の見学地へ向かいました。

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今井家内部で説明を受ける

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水琴窟を聴く。音をお伝えできなのが哀しいです。

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美濃和紙あかりアート館にて。

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町並み散策の様子。説明ボランティアさんの来ている上着は和紙で出来ています。

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休憩した時のメニュー。ボリュームがあり美味しかったです。


美濃保育園 子育て支援棟を見学して
 
      報告者:上村 志奈
 
園長の御好意で、『美濃保育園 子育て支援棟』を見学させていただけました。
まず、飛び込んできたのは『おばけの木』と名付けられた8m程ある大木でした。
他にも2本のおばけの木が枝を残したまま柱として使われていました。
 園は、1階約210㎡の遊戯室、地階約233㎡の保育室で成り立った建物です。県産材が99%使われ、集成材は一切使用されていません。無垢床や和紙などに囲まれた建物です。
 園長の熱意は強く、岐阜県立森林文化アカデミー木造建築講座と共同で木育を考え、地域の方々と協力して、丸太の選別から皮むき・製材まで自分たちで行い、施主の材料支給で工事を依頼しました。工事を請けた大工さんは倒して加工できず、立てた柱にやぐらを組んで加工したそうです。屋根の形も複雑で、棟上げに二週間かかったと伺いました。子供たちは、迫力がある『おばけの木』の枝に登ったりするそうです。
桧や杉等の無垢のフローリングや木サッシで温かみを感じました。地階の床下にはペレットボイラーからの暖をとっていて、冬も暖かく快適に過ごしているとの話もいただけました。風抜けや光の取り込み等細部にわたって考えられていて、夏も快適そうでした。できるだけのりを使いたくないとの園長の希望もあり、地階の床板は厚35㎜の板(実無)を掛けの上に置いてあるだけのものでした。冬になると、乾燥して隙間があき、熱を部屋内に取り込み、梅雨時期には膨張して板と板の隙間がなくなるだろうと想像できます。
他にも竹を編んで和紙を貼った(一閑貼)襖や、葉っぱを石膏に型取り、型に高熱のガラスを流し込んで作った窓ガラス、地階の小高いステージ(お昼寝スペース)の床に柿渋を塗った和紙を貼るなど、地域の方々と協力して作ったものがたくさんありました。
 あっという間の40分でしたが、非常に勉強になりました。快く見学を受け入れてくださり、感謝の限りです。

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1階遊戯室して 園長先生の説明を聴く。

 

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地下1階 広間での見学の様子。