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平成25年度活動報告ブロック会 後期 加賀大会

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東海北陸グロック会 後期 加賀大会 報告3(二日目報告)

発表会の様子

★建築士会東海北陸ブロック会 女性建築士協議会
平成25年度後期定例会議 加賀大会

日   時:平成26年3月1日(土)、2日(日)
開催会場:
 山代温泉 ゆのくに天祥
       (〒922-0298 石川県加賀市山代温泉19-49-1
             電話 0761-77-1234)
【テーマ】「加賀の地で再興を考える」
参 加者:5名
 


■2日目/3月2日(日)
講演会          9:00~10:30
    テーマ「学び考える」~「サイコウ」への実践活動~
    講師:瀬戸達氏
発表会         10:30~12:00
    テーマ「発表する」~皆で考え発表する
閉会式         12:00~12:30



ブロック会二日目の報告
 
                  報告者:長瀬八州余
 
講演会

テーマ「学び考える」~「サイコウ」への実践活動~
講師:瀬戸達氏
一級建築士・歴史的建造物修復士・景観専門員(特)全国町並み保存連盟常任理事
昭和23年石川県加賀市小塩辻町生まれ、65才。大阪工業大学を中退し1971年に瀬戸設計開設。
(藩)大聖寺町並み景観整備委員会を設立し、後にNPO法人歴町センター大聖寺とする。事務局長として大聖寺の町並み保存活動に取り組み、地元の観光・地域振興に貢献している。
時鐘堂再建や第27回全国町並みゼミ大聖寺大会を開催し、 数年前から加賀市文化財レスキュー隊や文化合宿を始めている。
加賀市の建築を通した歴史的景観まちづくりの第一人者である。(自主自立の景観まちづくり活動中)

 
 瀬戸氏は石川県加賀市大聖寺の「景観町づくり活動inあったらもんの里」という題で講演されました。「あったらもん」とはもったいないよりももっと深いところの物、失ってはならない物という意味だそうです。そして活動をするうえで常に問い続けることは「子供と孫にどん町を残していきたいか」ということだそうです。それを芯にしていればぶれることもなく活動が出来ますということでした。
 活動の最初は住民による町並み調査から始めました。コンサルタントの人とか大学の教授たちのお仕着せではなく、自分たちの町は自分たちで調査をして住民主体で町作りを進めて行くと、現状から整備課題が見つかり、整備後のイメージを描くことが出来る。それは夢を見ることになる。
 活動にはいろいろと苦労もあるが、議員等の権力者との闘いでもあった。議員等を入れると4年ごとに色分けがおきるので、執行部は全て地区の住民代表がなり、長期の計画に支障がないようにする。また、道は行政が作るが、町並みは地元の住民が作るという想いを皆の共通認識にする。
 モットーは何事も楽しくやる。そうすると次から次へと新しい和が出来て活動が進んでいきますというお話でした。
 本当にエネルギッシュな方でした。
 質疑応答も「次の人をどう育てていけば良いのか」という質問に「私は育ててはいない。後から考えると育っていたなあとなる。楽しくやって、やりがいがある活動をしていたら、自然と人は育つものです。」という説明でした。
 「これだけ長く活動をしているとへこむことはなかったのですか」と言う質問に「2流コンサルタントと補助金が活動を壊す要因になります。物事、すごく良くなると我欲が出てくる、少し良くなるだけだと欲が出ない、こんなんで良いわと思う。ステップを経て少しずつ進めて行くとへこむこともないです。」
 あとおまけで話してくださったのが、私を嫌っている人を好きにさせる方法を話してくださいました。何があってもその人に対して寄り添って、ニコニコ笑ってつきあっていると、廻りの人があの人はあの人を嫌いではないのではないかと思い始め、当人もそのように思い始めるものだということです。瀬戸さんはそうやって人を好きにして活動を進めていらっしゃったのだと思いました。


(講演の様子)


 発表会
 
講演後の発表会は、分科会・講演会で学んだ加賀市の現状と背景を念頭に置き、その上で地方都市の再興というテーマに対し建築士として何ができるのかを皆で考え話し合い、グループごとに作成した「サイコウ」を、キーワードとした短歌(5・7・5・7・7)を発表し合うということでした。
 まず個人で短歌を作り、5~6人のグループで一句を選び、それを持ち寄ってA~Eグループごとに一句を選んで全体で投票するという発表会でした。
 同じグループになった石川の人にどうして短歌になったのですかと聞いたところ「何かを残して起きたいと思いました。この二日間の感動を言葉に残しておけば又何かの役にたつのではないかということで短歌となりました。」という説明でした。 
 栄えある一位は「共に見た あの赤瓦は 我が想い 誰かが見てる 百年先も」瓦施工組合の方の句で、昨日の分科会で自分が携わった仕事を皆で見たときのことを詠まれたということでした。

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(結果発表の様子)

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(赤瓦のお寺)
 
 閉会式では新旧も委員長さんのご挨拶がありました。
 富山県の山中路代さんお疲れ様でした。愛知県の筒井裕子さんよろしくお願いします。

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    (山中さん挨拶)                   (筒井さん挨拶)
 
 紅白のお餅をお土産にいただいて、会場を後にしました。
 電車の出発まで時間があったので山代温泉の温泉街を散策しました。日曜日だというのに人が歩いていません。季節が悪いからなのか、時間帯が悪いからなのか。
 一日目は雨に降られましたが、二日目は傘を差すこともなく、無事に帰ってくることができました。担当県の石川の皆さんありがとうございました。