岐阜県建築士会 ぎふ木造塾 部会

公益社団法人岐阜県建築士会 ぎふ木造塾 部会
岐阜県建築士会公式HPはこちら

2009年度

HOME2009年度2009 第3回 失敗しない木造~乾燥、強度編~ ~構造編~

2009 第3回 失敗しない木造~乾燥、強度編~ ~構造編~

 

9月26日      講師 : 岐阜県立森林文化アカデミー教授     富田 守泰 氏
       
            講師 : 岐阜県立森林文化アカデミー講師     小原 勝彦 氏             

 

第1部


講師:富田 守泰氏(岐阜県立森林文化アカデミー教授)
テーマ:失敗しない木造~乾燥、強度編~

 

「ぎふの木」木造建築構造特記仕様書および同解説をもちいての講義
 

まず、冒頭にこのテキストは現状の最新情報を載せたものではあっても、技術や情報は進化しているのでまた改定していくつもりであるとの断りがあり、今回も別綴じの資料を準備していただき講義を受けた。
 

200903A.jpg

 ぎふ証明材の制度などにより、岐阜県では県産材住宅に対する建設支援がおこなわれている。柱はヒノキが主流だが、梁桁材として米松に代わって最近では杉が使われることが増えてきているとのこと。

 

ただ、比較的流通しているサイズを使用する場合はストックがあることもあるが、それでもきちんと乾燥した強度が信頼できる材を合法的に使うためには納材計画に余裕を持たせることがとても重要であることを学んだ。
 

木材の強度を把握することの重要性の中で、杉に関しては断面が大きい材ほど高いヤング係数の材が見込めない事実があり、E70,E90の材が大半を占めるので、過大に梁せいの大きいものを要求するなどの方法は避けるべきであるなどの話があった。
 

乾燥については、木材の割れはクレームとなることが多いが、含水率を下げればある程度の割れは許容しないと無垢の構造材は使えない。割れが問題となるのは引っ張りが働く接合部。表面割れは見た目は気になる

が問題は内部割れである。
高温乾燥では内部割れが発生しやすいことは設計者がしっかり理解すべきであると感じた。
 

 

 

第2部


 

講師:小原 勝彦氏(岐阜県立森林文化アカデミー講師)
テーマ:失敗しない木造~構造編~

 

先生が準備されたスライドと同じ手持ち資料を用いて講義を受けた。
建物は「一体の箱」で強さを発揮するので側面及び内部を固める耐力壁は重要である。
 

バランス良い耐力壁と水平構面の剛性確保が重要で、重心と剛心のずれが大きいと1.5倍程度のの水平力が構面にかかるため、充足率は5割り増しを目指すべきとのことであった。
 

200903B.jpg

 耐力壁や水平構面は接合部がしっかりしていないと無意味で、法律上桁面まで筋かいや面材が到達していれば耐力壁と見なされているが、 構造技術的には、水平構面まで達している壁のみを耐力壁とすべきで、耐力壁が保有の耐力を発揮するには、継手・仕口、接合金物、接合具を正しく使用することが大切であるとの説明があった。
 

200903C.jpg

 たわみによる断面算定にはクリープ(変形増大係数)を考慮して材背を求めることになっている、今回説明のあったスパン表では、建築基準法による2.0に対して、学会基準2.42を用いているとのことであった。

 

また、断面欠損についても同様に考慮する必要があるので、表からを梁背を見つけるのではなく、前提条件を理解すべきであると感じた。 
 

 常時微動測定から建物全体の耐震性を測るという話は難しかったがとても興味深かった。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
岐阜県建築士会 ぎふ木造塾 部会
TEL:058-215-9361
FAX:058-215-9367
E-mail:info@gifukenchikushikai.or.jp